200年前の赤の他人

miura_e2005-11-12

ハナレグミの新しいアルバムを借りたけど、持ってる曲とだいぶかぶってて残念でした。
ユネスコ世界遺産のひとつである岐阜県白川郷の合掌造り集落へ行ってまいった。昨日の天気予報では雨だったが、雨雲は夜のうちに通り過ぎていき朝日が昇った頃には気持ちのいい天気になってくれた。
初体験の高速道路、前しか気にしなくて良いから楽ですな。気持ちよくとばすおれとつらそうにうなる軽。始めのうちは下から鉄柱かなんか飛び出してこないか心配だった。120キロだすとハンドルがプルプルしだし。
何はともあれ夕方到着。4〜5時間熱唱したおかげで声はもうガラガラ、風邪を押してまで観光にやってきた謎の男と化す。想像以上に観光客でにぎわう集落、まぁよく考えれば当たり前か、世界遺産だもの。合掌造りなど何一つ特別ではないようで観光客の顔ばかりを眺めている500円駐車場の管理人に情報をもらう。
さっさと散策。「〜家」という看板、「一番大きい」など特徴の説明書き。実際住んでいる家もあり、観光者向けに開放している家もあり。
「なんか物足りない、ギューンとこない」
と思いながら歩き回る。団体さんが吸い込まれていく一軒の家へ一緒に吸い込まれてみる。入場料300円払う。家主がカセットテープみたいに家の説明をしだす。中はすっかり展示室ですっきり整頓されていた、仕方ないことだけど、無理やり置かれているような気がして素直に感動できなかった。
暗くなって観光客がいなくなりだしたころ、合掌造りのどっしりした家の障子窓から光が出ていたのが見えた。帰り際に見えたその風景こそおれが見たかったものだった。家はやっぱり家であるときが一番いいな。
帰ってネットで気になったことを調べてみた。いつかはわからないがこんな記事が新聞に載ったらしいので紹介したい。

合掌造りは維持に多くの費用がかかる為60年代にはダムの建設や集団離村でこの辺りの集落が次々と姿を消していったが、この白川村萩町集落は「これ以上先祖から受け継いだ文化遺産をなくしてはいけない」と意識を変え、伝承家屋を守りながら観光立村をする努力をし、とうとう95年に世界文化遺産に登録された。

 しかし高速道路の延長などで交通の便がよくなり観光客が増えて経済が潤う一方、住宅地区への大量の一般者の乗り入れや、観光客が家の中をのぞいたり勝手に入ってくるなど住民のプライバシーが守れなくなった。
 また住民の建物保存への意識は高いが周りの農地はほったらかし。観光に力を入れるあまりにきれいな農村風景が崩れてきている。
 「世界遺産白川郷」と美しい風景は住民の大きな努力と犠牲のうえに成り立っているのである。

 今年11月には白川郷すぐ近くに東海北陸自動車道白川郷インターチェンジが開通し、ますます観光客増加が予想される。どのように世界遺産と住民の生活を守っていくのか今後もたくさんの課題がありそうだ。

実際に人が住んでいるこの手の文化遺産には色々と複雑な悩みがつきもの。何はともあれ観光客としてできることはただ一つ、マナーを守ることでしょう。世界に誇れる風景なのだからやはりミンナで守っていきたいものです。
写真はある土産物屋で出会ったおもちゃ。写真が小さくて伝わらないのが残念だが、赤い衣装に身を包み薄ら笑いを浮かべた男。古い家の物置にありそうなおもちゃだ。チラシの裏のような紙に手書きでこのような説明がされていたので紹介したい。
体操のお兄さん
  電池付です
赤と青をあります
\630

田舎のほうのこの手の観光地には色々と複雑な土産がつきもの。何はともあれ観光客としてできることはただ一つ、シャッターを押すことでしょう。観光地と関係のないものなのだからやはり一度はつっこんでおきたいものです。日本語もめちゃくちゃです。