ふしぎなおとこ

業務が落ち着いてきたとはいえ、まだ小さい波がたつ。土曜か日曜は出勤かな、と思いつつ週末に入った昨日。一日じゃあ遠出もできんし何しようか迷ってると、パソタ(仮名(秋葉系日本人))から静岡に行こうと誘われた。
今日朝起きると時計は12時、そこへちょうど電話が鳴る。
30分後パソタがオンボロ軽で迎えに来た。彼も起きたばっかりだと言っていたがパンを3つ食ってきたらしく、なぜかおれ一人空腹を我慢することになった。
1時間半後静岡市に入る。とりあえずファミレスかどっか行こうと申し出てみる、
「道わかんないから、ちょっと…」
と拒否られる。返す言葉がなかった。もう少し待ったろう。
迷い走っているとどんどん市街地から外れてしまった。コンビニがあったのでタバコも吸いたかったし「休憩しよう」と誘った。
ジュースを買い外にでてタバコを吸っていると、パソタがだいぶ遅れてコンビニから出てきた。コンビニのおっちゃんに道を尋ねたらしいが、いい回答がもらえなかったらしくブツブツ文句を言っていた。「まったく」と言いながらコンビニ袋から何か取り出した。
パンだった
しかも割と大きめだった。すかさず突っ込むと、「大丈夫、こんくらい食ってもまだ食えるから」とわけの分からない返答が帰ってきた。
軌道修正でとりあえず静岡駅に戻ることにした。彼が行きたかったのはパソコンショップだった。おれはとりあえず飯は我慢して慣れない運転で必死に走行するパソタを邪魔しないようにしていた。
偶然に目当てのパソコン屋を発見し、買い物を済ませた後、いよいよ飯の番だと飯屋に目を光らせながら車中パソタと会話をしていた。そしてデニーズを発見、思わず会話をぶった切り「デニーズ!!」と叫んだ。すると驚いたのかパソタは店の前を通り過ぎかけていた状態からハンドルを急に切り、車が来てない対向車線を渡り、車体を揺らしながら歩道に進入した。ちょうどそこを通りかかった爺さんは目を丸くしていた。「危ないぞ」と注意すると「急にまがれって言うから」と因縁をつけられた。曲がれなんて言ってないし、もし言われたとしても曲がる人はいない、いったん通り過ぎてどっかでUターンすればいいじゃない。あまり怒る気になれなかったが、なんか説教っぽく言い返してしまった。
そんなこんなでついに飯にありつけた。パソタは「あんま腹減ってないんだよなぁ」なんてつぶやきながらメニューを手に取った。