だいどんでん

昼休み、寒さですっかり賑わいを失った外の休憩所でふるえながらタバコをすっていると、誰かの足がおれの前で立ち止まった。顔を上げると、知らない女性が何か言いたげな顔でこちらを見ている。はてな顔をすると、彼女はすっと息を飲んだ後こう言った。
「明日暇ですか?」
クリスマスイブの明日ですか。おれは動揺を隠して答える。
「暇ですけど、何で??」
「やっぱりそうですよね、暇そうな顔してますもん」
そう言うと彼女は霧のように消えていった。
と、、、妄想もこんな具合です。
明日も明後日も仕事ですよ。いえもう逆に楽しい。今やおれらのチームは少なくとも年末年始の休暇だけは守ろうと躍起になっている。悪いことは重なり、5日で残業時間40時間を超えてしまったおれは上の管理者に「もうこれ以上残業するな」などと言われる始末。まあ、くそ食らえ。
今日の帰り。飯を買おうといつものコープに寄ろうと思っていたのだが、もう目前というところで好きな曲がカーステから流れ出してしまった。〜♪。どうせ休日何処にも行けないだろうし小ドライブも兼ねて店をスルー。市街へ走らせる。隣町まで、とバイパスに乗る。ごめんなさい、と戻る。運悪く、また直前であの曲に。そしてスルー。好きな曲がちょうどおわったとき、コープの駐車場で車のエンジンを止める。それを目指すことにする。その曲は自分で焼いたCDの最初と、真ん中あたりにライブバージョンがある。その間3〜4曲、時間にしたら20分サイクルでその曲が回ってくる。よし。めんどくさい。
中々難しいもので、三周目あたりでコープ閉店の事態に気づく。セブンに普通に入る。おとなしく帰路。

計算したら40時間起きている。41時間目に寝ようと思う。
今日は20〜30時間台で仕事をしていた。頭がボーっとして、たまに知らない人が後ろに突っ立っていた。なにをしたかったのか。ボーっとおれの後姿を眺め、たまに仕事振りを覗き込んできた。あれはおれだったようだ。
不思議とアタマはさえていた。
今日は大雪、実家で見るはずだった雪景色を一足先にみました。

大変だから

昨日は今日まで続いていた。
仕事。
今日の先の明日の、客先での打ち合わせの資料をひたすら作っていた。12時間かけて生成された2ページの資料は、何度つばをつけてめくっても2枚だった。帰り際の先輩の「今日はもう寝ないで行くでしょ?」との問いに、元気よく「はいもう寝ませんよ今日は」と答えたおれは、コンビニで買ってきたあたたかいうどんにボコボコに打ちのめされたみたいで、床に張り付いてどうにも立ち上がれない。
もしものためにと目覚ましをセットした時点でもう負けなのだ。
「落ち着いたら飲み行こうな」
「へたすりゃ4日くらいから出んとやばいかもね」
今日の思い出。

今日は天気がよかった。イエローハットへウォッシャー液を買いに行った帰り、遠くにドデーンと胸を張る富士山が見えた。近場にあるはずの周りの山々を軽く超える圧倒的な存在感。あそこからここを眺めたい。
富士に行けない欲求不満を100円ショップにぶつけ、気味の悪い笑顔で商品の数を数え上げた青年に2300円を渡す。
部屋の片隅にあるサイゼベリアと言う観葉樹に100円ショップで買ったウサギを担いだアフリカ人を迷い込ませた。
大掃除をし、きれいになった部屋でヘッドホンして仕事のことを考えたり、ボーっとすごす。笑点を見逃し落ち込むが、あるあるを見て元気を取り戻す。
話は変わるが、最近日本で子供連れ去り事件が多発している。そのことを受け、この間ニュースでで誘拐にあったときの対処法を紹介していた。世界的に活動している団体だったと記憶しているが、その対処法が少々気になった。誘拐にあったときの叫び方についてだが、実際にお手本として叫んでみせたおねえさんは、低い声で「アー」と重々しいオペラ歌手のように発声した。「腹式呼吸で」とか言っていた。どこのお偉いさんがどんな理屈でこの方法を進めているのか分からない、遠くまで聞こえる周波数だとかその程度なわけはなかろうが。もしおれが部屋でボーっとしているときに外から「アーーー」っという低音の声が聞こえてきたとしても、がんばっても「良い声してんな」という感想が出る程度であろう。また別の角度から見ても引っかかる点がある。犯人の脇に担がれ車へ運ばれる6歳くらいの少年がおなかに手を当て「アーーー」と良い声を発しているところを想像してほしい。どうだろう、危機迫る少年とは裏腹に、非常に面白い画になってしまう、そんな気がするのはおれだけだろうか、ええ、おれだけだろう。これはおいといて、定着するまでが大変だろうし、定着したらしたでオペラ歌手を夢見る少年にとっては、うかうか発声練習もできないという小さいとは言えない問題が生じてくる。人間が本能的に出る「キャー」が一番分かりやすくていいと思いました。

いつもの石だった。

どうやら2週連続休日出勤、3週連続の可能性も十分ある。
今日は上司とひと波乱ありました。ここ1週間練りに練った設計を全否定された。抵抗するおれの言葉も浅く、簡単に一刀両断される。知識の無さを痛感した。当たり前だ、設計というものがそんなに浅くても困る、し、それではつまらない。絶対いつか彼奴を言い負かしてやる。一年後待っとけ!!
怒りではない不思議な感情が上司に対し湧き上がった。その良く分からん感情は、強いて言えば「よきライバル」というのが一番近い気がする、んん我ながらバカっぽい。まあ目標は高いほうがいい。
そんなわけでスピード全開で山を下り、飯を食い終わるや否や、テレビを消し、テーブルを片付け図面を開き設計検討など始めてしまう。
「ひらめきは自由な発想から生まれる、何気ないところから発見するものだ」と言い、寝転んでテレビをつけたのはその5分後だ。
明日出るんだから今日は休もうぜ。。。

ラジコンみたいなスピード

miura_e2005-12-03

土曜。月曜日有給が取れた土曜。京都へ行こう。紅葉見に行こう。
11時出発、うた歌い、飯食い。快晴の下、道路を挟む山は紅葉して赤と黄と緑の迷彩。
京都東ICに着いたのは3〜4時、次は京都ICだろうと通過する。ところが次に現れたのは茨木IC(先ほど調べたら京都南ICがあるようだが記憶に無い…)、しかたないのでまだ明るいしもう少し走ることにした。そしてたどり着いたのは商いの街、大阪。
「まいど」
高速代は思ってたより安く、袋井−大阪\5000位(頼りない記憶による)
苦手な3車線をなにわナンバーに囲まれながら走る。少しして気づいたが、路駐車に一車線つぶされていたが本来は4車線のよう。街をさらっと徘徊し、いい感じの場所にあった東横インにチェックインする。
歩いてみよう。あてが無いのでとりあえず大阪駅へ向かう。メインストリートからどのくらい離れているのか、オフィスビルのような大きい建物がチラホラたっている、ひとけの無い薄暗い大通りを寒さに耐えながら歩く。上着もって来るべきだった、もう12月だ、夜は冷える。
ひとけのある道を選んで進んでいくと、黄と青に輝く通りに行き着く。並木たちが誰かに電球を巻いてもらい夜まで光合成をさせてもらっていた。おれはカップルたちの視線を軽快にかわしながら通り過ぎる。
その並木道を出たところに地下鉄を発見。ワープ。
地下鉄梅田駅から出ると人ごみ、少し流れに乗って歩いてみたがうまいこと皆散り散りに消えていき最終的に数人の流れになっていた。何処に消えていくのだろうか、、道の先に目をやってもにぎわった光は見当たらなかった。
駅前に戻り、先ほど見つけたツーリストオフィスに入る。地図ゲット、道頓堀へ行こう。梅田駅からわき出てくる人ごみをかき分けて再び地下鉄へ。
なんば駅を出て少し歩くと道頓堀。道頓堀橋にはニュースで見たガードが設置されていた。橋の景観を見事にぶち壊し、グリコの青年も苦笑い。にぎやかな光と声に囲まれたとおりを散策。くいだおれ人形を激写。しばしふらふら歩いて雰囲気を堪能。やはりくいだおれの街ですから、本家っぽいたこ焼き屋でたこ焼き、カニ道楽のおもてで焼いていたズワイガニ2切れを食す、オトナ食いだ。
貧乏人は満足してホテルへと戻る。
翌朝。
京都をみて帰ろうと名神高速を走っているはずのおれは、なぜか山道を奈良へ向かって走っている。なんかもう道に迷ってる気すらしない。要所要所にある看板をみながらなんとなく行きたい方向に車を走らせる。途中雪が降っていた。
「剣聖の里へようこそ」。奈良公園を素通りし、柳生に着いたのは10時くらい。バカボンドでおなじみ(?)柳生石舟斎がいた地だ。
「今日は日曜だよね?」
なんど自問自答しただろう。観光客が一人もおらぬ。ちょっと林の奥のほうに一刀石という、中央から2つに割れている巨石があるのだが、怖い、暗い、熊とか物理的にも怖い。昔、柳生宗厳(石舟斎)さんが修行中この戸岩谷という場所にわけ入ったところ天狗がいたので試合をし、その時、宗さんが天狗と間違って切ったのがその一刀石だと言う。約7m四方ほどの巨石が真っ二つになっている。それを見てなぜかルパン3世ゴエモンが頭に浮かんだ、「斬鉄剣が…」とか言っていた。怖いので足早に立ち去る。
肝心な天狗と宗さんとの勝敗は分からなかったが、そんな言い伝えが残るほどすごい人たちだったのだろう。と思いながら柳生名物らしい茶粥を食う。さっぱりしてて中々おいしかった。
国道25号線の終点から東名坂高速へすっと入っていく。そんな車を横目におれはやせ細っていく国道にそれる。金がそこをついていたので、銀行ATMを探しに市街地へ向かう。途中看板に「鈴鹿」の文字、「すずか」聞き覚えのある音。
コンビニで金をおろし、スズカサーキットを観に行く。スズカサーキットは遊園地と一体となっていた。おれはサーキットを観に来たのであって一人寂しく観覧車に乗りに来たわけではない。分かってるな。
目で訴えながら遊園地入場券を買う。夕方だったので安く、1000円で入れた。久しぶりの遊園地、ベニーランド以来だ。小ぶりの遊園地だがそれにしてもココも人が少ない。でもまぁ皆楽しそうですなあ。サーキット関連がやはり多いようだ。楽しそうだ。。。テンションが静かに上昇、顔がにやける。間違ってなんか乗り物に乗ってしまいそうな気がしだしたので走って奥のサーキット場へ向かう。
轟音を立てて走り去るバイク。おれはレースゲームは好きだがテレビでレースをやってても好んで見たりはしない、ニュースや何ならでチラッと見る程度。肉眼に入ってきたその光景にはすっかり圧倒された、一瞬で目の前を通り過ぎるバイクに人が乗っているということが信じられなかった。危ない、こけたらどうなっちゃうんだ??
17時、曇り空が暗くなり始めていた。安全運転で帰路。こんどは四国上陸したいなぁ。
写真は柳生山王台ふもとにあるお店の横で出会った風景。居場所を失った抹茶ソフトの模型が隅のほうに追いやられ、長い月日をかけ地中に埋まっていっているよう。ちょうどモナカ部が隠れ、緑の巻き巻きだけが顔を出している。位置もくすんだ色も絶妙だった。

いつもの空を見上げて

茶の味」観ました。全体的にきれい。日常的で深みのあるお茶は大好き。詳しくは言えないがラストよい、あれできれいにまとまりますね。
「完全なる飼育」観ました。竹中さんの行き過ぎたアドリブのように見て取れるシーンがあり、面白い。
ゴルフに行ってきた。先々週くらいに先輩と打ちっぱなしに行ったときドライバーをはじめて握り、俺の球筋を見た先輩は「一緒にまわりたくない」と言った。後日皆をびっくりさせようと密かにドライバーの練習をしに行った(2時間だけ)のだが、結局ホンコースデビューの日、びっくりしたのは周りの皆ではなく俺自身。まったく前に飛びません。そんなわけで思い出はゴルフにあらず、景色が良かった、空も広く、とか。